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「ピッチは戦場だ」「けんかするくらい本音を出し合ってチームはまとまるんだ」ドゥンガは"戦場の鬼軍曹"となってジュビロを引っ張ったが、名波は違和感を感じていた。
結果を追求するドゥンガ。勝利のためにはなりふり構わず、熱くなった。一方、名波は試合の内容にもこだわった。「サッカーを楽しみ、観客を喜ばすこと」がサッカー哲学。
二人の関係は、悪くいえば「水と油」。言葉による行き違いや衝突もあった。だが、ドゥンガのプレーの「ずるさ」は、名波の心をいつしかとらえていた。
相手に押されている場面でのファウル。時間稼ぎ。審判に見えないところでの巧妙なプロの駆け引きは、名波のプレーの引き出しにしまわれ、財産となった。名波は、「ずるさ」を覚えることで、一回り成長した。
さらにサッカーが「仲良しチーム」が、勝つスポーツではないことも、骨身にしみた。3年4ヶ月、ジュビロに在籍したドゥンガはチームに2回のステージ優勝と、チャンピオンシップ優勝、カップ優勝をそれぞれ1回、もたらした。
二人がともに出場した昨年のW杯フランス大会。日本は全て1点差の3連敗。名波は世界との差を痛感すると同時に、ドゥンガが言い続けてきた「勝つ」ことの難しさを味わった。昨年12月。ドゥンガ退団セレモニー。名波は「いろいろ勉強になった」と頭を下げた。名波は偉大な先輩に別れを告げるとともに、”ポストドゥンガ”へのスタートを誓った。 |
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